多くの国では、健診について「毎年受けているのに、なぜ発見されたときには進行期なのか」という印象を持たれることが少なくありません。一方、日本ではがん全体の5年生存率が68.9%に達し、消化器の早期がん発見率も世界トップクラスの水準にあります。日本はいったい何によってがんを極めて早い段階で食い止めているのでしょうか。日本厚生労働省の関連動向と最先端の医療の発展を踏まえ、本記事では日本のがん超早期検診における3つの技術の方向性を整理します。
一、消化器内視鏡技術:ミリ単位のリスクも見逃さない
日本は消化器(胃・大腸)内視鏡技術の分野で長年世界をリードしており、世界の内視鏡機器市場の多くを日本ブランドが占めています。中核となる技術は以下の通りです。
NBI(狭帯域光観察)と拡大内視鏡:特殊な波長の光を粘膜に照射することで、早期がん化に伴う微小血管の異常を観察しやすくし、高精細な拡大内視鏡と組み合わせることで数ミリ大の超早期病変も明瞭に識別できます。
AI支援内視鏡診断(CAD EYE):日本ではすでにAI技術が内視鏡検査に広く組み込まれており、人の目では見落としがちな微小なポリープの発見をサポートし、見逃し率の低減に貢献しています。
二重読影による品質管理:日本の精密健診(人間ドック)では、1件の画像レポートを通常2名以上の放射線科専門医が独立して確認します。この厳格な品質管理プロセスにより、診断精度の向上が図られています。これを土台に、かなりの割合の早期胃がんが、開腹することなく内視鏡下の低侵襲手術(ESD)によって根治可能となっています。
二、リキッドバイオプシー技術:細胞レベルの段階でがんの兆候を捉える
日本は生体試料を用いたがんの初期スクリーニングの実用化において先行しており、一部の技術は、CTやMRIなどの画像診断ではまだ腫瘤として確認できない段階で、がんに関連する信号を捉えることができます。
マイクロRNAによる複数がん種同時スクリーニング:血液中の微小なリボ核酸(マイクロRNA)を検出する関連技術により、胃がん、肺がん、乳がんなど発症頻度の高い複数のがん種を同時に初期スクリーニングできます。
N-NOSE(線虫の嗅覚を利用したがんスクリーニング):日本独自といえる技術で、遺伝子改変した線虫が、がん患者様の尿に含まれる特定のにおいに対して示す走性を利用して初期スクリーニングを行います。必要な尿サンプルはごく少量で、コストも比較的抑えられます。
三、アジア人女性に着目:高濃度乳房への対応検診
アジア人女性の乳房組織の多くは「高濃度乳房(デンスブレスト)」と呼ばれるタイプで、従来のマンモグラフィ検査では、高濃度の腺組織と腫瘍がいずれも画像上白く写るため、「白の中の白」として見逃されやすいという課題がありました。この課題に対応するため、日本の医療界では3Dトモシンセシス(DBT)と全自動乳房超音波検査(ABUS)を組み合わせた検診方式を推進するとともに、制度面でも受診者ご自身の乳房タイプについての情報提供を進め、女性それぞれに適した検診方法を選びやすくする取り組みを進めています。
予防医学は、命への何よりの贈り物
がんの治療は、多くの場合「早さ」で勝負が決まります。日本が推進する先制的な予防医療は、成熟したハードウェア、AI支援技術、そしてアジア人向けにきめ細かく設計された健診体制によって、この理念を体現しています。瑞穂医薬は、日本の権威あるがん研究センター、大学附属病院、ハイエンドな精密健診センターへのコーディネートをサポートし、専門医の予約、医学翻訳、専属の受診同行などワンストップのサービスをご提供します。